どうもーシグマです
新年早々お疲れ様でした!
今大会はシステム上どこまでいっても運に左右されるルールでしたが、運ゲで済ませるのは一ゲームプレイヤーとして許せなかったのでちゃんと考察しました。このルールはどこまでリスクリターンを意識して選出・指を振るかが面白いポイントなので、この記事でそこを感じ取ってもらえると嬉しいです(*´ー`*)
とは言っても多分動画で見てもらうのが1番早いため、最終日の試合を貼っておきます。一応声ありで試合展開等をリアルタイムで話してます。
前提知識
概要
・シングル63、試合時間20分、持ち時間7分、ダイマックス可能。
・1on1とは違い、PPを消費しない交代の行動が存在する→呪われボディ、PP枯らしが従来ほど特別強いわけではない。また、基本的に相手を倒しきれないためTOD環境。
・1ターン辺りにかかる時間が残飯回復2回込みで30秒前後→推定25~40ターンで20分消費。
・指を振るで出る技の確率は物理40.1%(接触技は33%)、特殊26.3%、補助技33.6%。
・自主退場技が出る確率は1.26%(命懸けはゴーストタイプに効かないが込み)
TOD周り
・シングルランクマ同様自分が有利な展開になってから時間を使う方が良いため、序盤はなるべく即決。ヨノワロンゲ絡みで読み合いをしてる感を出すために10秒程度時間使うのはあり。
・9割以上はTODになってしまうため、色違い、証(あのころがんばった)、キョダイマックス個体にして消費時間を伸ばす。(サブロムは色カビゴンを用意できませんでした…)
・HPが高いポケモンほど残りHPが大切→HPが高いポケモンはできる限り盤面に出したくない。
ダイマックス周り
・ダイマ技はダイウォール。
・ダイマックスのエフェクトにより稼げる時間は約20秒
・通称ダイマックスよりもキョダイマックスの方が~0.1秒ほど長い
・積まれることを考えるとできる限りダイマ3ターン目で対戦が終わるように合わせて使いたい。
・ダイマックスアメの調整
例:最大HP152、現在HP120でダイマ
ダイマレベル0の場合
120/152→180/228
残飯回復…189/228 試合時間終了…126/152
残飯回復…198/228 試合時間終了…132/152
残飯回復…207/228 試合時間終了…138/152
ダイマレベル10の場合
120/152→240/304
残飯回復…249/304 試合時間終了…125/152
残飯回復…258/304 試合時間終了…129/152
残飯回復…267/304 試合時間終了…134/152
とダイウォール失敗時に被弾しない前提ならばダイマレベル0の方が残飯回復効率が良いことがわかる。
どちらにするべきか悩むが、ダイマを切るのはほぼ勝ちが見込めるTOD有利状況時であり、その状況で得られる数%単位でのアドよりも大ダメージを食らうリスクの方が大きいと感じたため、ヨノワール・ゲンガー共にダイマレベル10で使用した。結果論ではあるが、状態異常祟り目をダイマレベル10のお陰で耐えて勝った対戦があり、ダイマレベル0だと拾えた試合は恐らくなかったため正解を踏むことができた。どなたか結論を教えてほしい。
役割別使えるポケモン
それぞれどのように優れているかは単体解説で説明するが、総合的に見て明らかに抜けている。採用しない理由はない。
黒ヘド⇦残飯⇦ジャポ⇦黒ヘド…といった三竦みになっている。
高火力ポケ
初手に投げてアドを稼ぎにいき裏で逃げ切りを図る。それぞれ性能が大きく異なり、コンセプトに沿って採用するポケモンを変える。初手から指を振って殴り合う行動が安定するとは思わないので積極的に投げたいポケモンではないが、見せポケモンとしては1,2体必要。
クッション
サマヨール+ヨノワールでプレッシャーループをする層は一定数いたが、どちらも負荷をかけづらい上に総HPも低いため、ゲンガーヨノワールでクルクル時間を使えばよいことが多い。そのためサマヨールは全く評価していない。
その他
雨降し+雨受け皿+乾燥肌で実質残飯3体みたいな顔ができる。火力も耐久も低い+耐性も弱いためネタ寄り。トノルンパ+三種の神器から一体みたいな出し方の方がまだワンチャンありそう。
考察
ゲンガー、ヨノワール、オーロンゲがトップメタであるこの環境には主に以下の3つの戦術があることがわかった。
戦術①
初手に攻撃や特攻が高いポケモンを置いて対面で削りつつ裏のクッションポケでTODを狙う
→初手に回復ソース持ちが置けないため、全然削れないと逆にTODで負ける
選出
初手高火力ポケ 裏
戦術②
ゲンガーヨノワールで体力管理しながらTODを狙う。ラスト1枠は相手のヨノワールを盤面に置かせないためにオーロンゲ見せるか、次点で数値が高いカビゴンを裏に置くかの選択。
選出
初手 裏+or
戦術③
三種の神器ミラーを避けるために、裏にハピナスを入れてHP総量・割合で有利を狙う。
選出
初手 裏+(カビゴンでも多少成り立つ)
上位を目指すための選択肢はこの3つくらいしかないと判断したため、纏めてみたところ
戦術①⇦戦術②⇦戦術③⇦戦術①…といった三竦みになることがわかった。それぞれの戦術の中でもオーロンゲを選出するか否かで立ち回りの強さが変わってくるが、ミラーにおいて相手がカビゴンの強みを知っている人間かどうかに関わらず、この三竦みを相手視点で選出段階で発生させることが必要だと感じたため、++パワーポケに構築は決まった。
次に決めるのは最も大事であるどの戦術を基本選出として心中するかだが、1月6日時点では以下のような考えだった。
・ゲンガーはフリーに動ける且つ低リスクで指を振ることができ、耐性、特性、回復ソース持ちと全てにおいて優秀であり絶対選出レベル。
・ヨノワールはオーロンゲの圧力で指を振れないにしても選出するべき…TODを狙う上で遅延、高耐久、嫌がらせ(特性)を全てトップレベルで熟す。特に遅延性能はTODの成立を安定させることに繋がる。
・オーロンゲは他の人と比べて珍しく評価低め→残飯を奪う際にヨノワールに後投げするが、早い段階で特殊技を受けてしまうと相手がTODの意思を見せてくるため、自ら指を振らざるを得ない追う展開になりやすい。
これと前述の三竦みを軸に考えた結果、
ゲンガーヨノワール+ゴツメカビゴン>=ハピナスが良いと纏まった(戦術②ベース)。カビゴンは高耐久且つ高火力であるのは当然であるが、何よりHPが高いのが魅力的である。ゲンガーヨノワールでお互いにクルクルして時間を使う際にハピナスほどではないが裏に添えるポケモンとして生きるだけでなく、裏にパワーを出せるポケモンを控えるだけで仮にHP不利で指を振らざるを得ない序盤の不利展開を残り10分時点からでもHBオーロンゲ、HBハピナスと比べてひっくり返せる可能性が高く拾える試合を増やすのがハピナスとの差別化点であると感じた。
また、対ミラーにおいて、ゲンガーヨノワールを軸にする場合、前述の通りヨノワールが指を振るゲームではないためゲンガーで削りを狙う必要がある→ただしゲンガーのPPだけでは充分に削りきれずに相手のHP回復が間に合う→最初5分程度無駄にクルクルすることでゲンガーのPPを使い切ることができることに気づいたため、ミラーでは時間を都合よく消費してから試合を動かすことを意識するように決めた。
この考察のまま大会初日を迎えたが、ミラーでハピナスを出した試合に限ってよく事故り巻き返せないことが多かった。
相手のプレイヤーレベルがわからない初日に潜ったことにより機能しなかっただけでレートが高くなるに連れて機能していくかもしれないが(実際にハピナスを組み込んで結果を残している人もいた)、このままやっても勝てないと判断してサブロムではカビゴンを信用するようになった。
追記:ここまで努力値振りについて触れていなかったが、物理技が出る確率が高いため基本HBに張り切っている。しかし、物理技の多くを占めるノーマル及び格闘技はゴーストタイプに無効なため、振り切るのが正解ではないかもしれない。数学的に結論を出している方がいたら教えてください。
単体解説
ゲンガー
性 格:呑気
特 性:呪われボディ
実数値:167(252)-85-123(252+)-150-96(4)-117
持ち物:くろいヘドロ
技構成:ゆびをふる
ルール発表初日から大会を終えた今まで変わることなく1番評価しているポケモン。唯一の毒タイプ、呪われボディによるHP管理のしやすさ、毒・バインド耐性、オーロンゲ選出に立ち回り有利を取れる、高水準の特殊火力等により絶対選出するべきであると同時に初手に置きたいいポケモン。
戦術の軸をゲンガーヨノワールに決めたため、ゲンガーのHP・PP管理を徹底する必要がある。そのため、ダイマするためにヨノワールに引く残り5分前程度でゲンガーのPPを使い切れるように、序盤は不用意にPPを消費しないことを心がけた。
また、ゲンガーを初手に置く都合上、相手が戦術①を選んでいた場合に高火力ポケと対面することがあるが、相手の指を振る回数を稼がせないのと一度ヨノワールに引いてもロンゲ引き読みゲンガー引きorそれ読みで高火力ポケ居座りのローリターンの択になるだけである。そのため、ゲンガーと高火力ポケの殴り合いは微不利ではあるが、大会後半は踏ん張りどころと決めてゲンガーで居座るようにしていた。
ヨノワール
性 格:呑気
特 性:プレッシャー
実数値:152(252)-120-205(252+)-85-156(4)-58
持ち物:食べ残し
技構成:ゆびをふる
高耐久・耐性、特性と最強のクッションであり、オーロンゲ絡みの択を避けられないとはいえ信用して選出していた。1on1ほどプレッシャーが特別強くはないとはいえ、積み技等で居座る姿勢を見せてきたポケモンに対して行動回数を抑えたり、TODを知らないプレイヤーに対して安定したりと充分に機能していた。(冷静に考えて初手5分消費した上で試合を始めるみたいな戦術を作ってる時点で壊れ)
前述の通りオーロンゲに残飯を奪われると立ち回り・展開共に不利になるため、裏でのHP不利状況を除き、相手のオーロンゲを特殊技で削れることを踏まえてでもヨノワールは可能な限り指を振ってはいけないポケモンであり、それを理解していないプレイヤーが多かった。
やった方ならわかると思うが、ヨノワール周りでの択は豊富である。例えば相手のヨノワールに対してヨノワールを投げる→ロンゲの確認+PP温存でゲンガー引きの釣り…に対していないと思わせるためにすぐにオーロンゲを見せずに居座るorゲンガー引きでお茶を濁すなどの読み合いだったり、早い段階でオーロンゲを見せることで相手のヨノワールに指を振らせないようにしてヨノワールを削ってリソース有利を狙う動きだったりと大会の中で様々な使い方がわかってきた。
オーロンゲ
性 格:呑気
特 性:悪い出癖
実数値:202(252)-140-128(252+)-115-96(4)-72
持ち物:ジャポのみ
技構成:ゆびをふる
「相手の接触技を受けることで相手の持ち物(残飯)を奪う」と書いてあることの理解に苦しむ壊れ性能を持つ。その反面、残飯を奪うために後投げした際に特殊技で削られるとその時点で攻めを強いられることを重く捉えて上二体ほどは評価していなかった。しかし、ヨノワールの欄で書いただけでなく、最悪こちらの残飯が相手のオーロンゲに取られた際に逆にこちらのオーロンゲで取り返しにいける等、オーロンゲを選出していること自体は立ち回りの幅を広げるため、ラスト5戦くらいは出すようにしていた。
持ち物についてだが、オーロンゲで持ち物を奪った相手は回復ソースがなくなるため1/8与えるのが大きい+オーロンゲも長く居座るポケモンではない(拘束耐性なし、相手のロンゲにパクられる等)ためアッキのB上昇が生きにくい点によりジャポのみ一択。一応特性マジックガード相手だとジャポの消費は無効化するがアッキは普通に消費するためアッキだとピクシーの持ち物を奪えるみたいな差別化点はあるが、それを踏まえてでもジャポ一択。
カビゴン
性 格:勇敢
特 性:厚い脂肪
実数値:238(20)-176(236+)-117(252)-85-130-45
持ち物:ゴツゴツメット
技構成:ゆびをふる
特性についてだが、多くのプレイヤーは安定性を重視して免疫だと思うが、
・初手で回復ソースがない相手と撃ち合う試合展開を自ら仕掛ける場合、HP有利を取ることが最重要なので可能な限り軽減したい。
・今回このポケモンの採用理由上、盤面に長く置くわけではない。
・仮に毒になってもその時点で即引きすればよい(1/8or1/16喰らうが)。
等の理由で厚い脂肪に選択した。
高耐久高火力を実現するためにABにしてミラー意識でHに20振った。特性と持ち物に関してだが、1番ダメージ効率が良いのはA補正且つゴツメだと聞いたのでそのまま採用した。細かいところは正直完全にわかっていないので突っ込みは受け付けておりません。。
ハピナス
性 格:呑気
特 性:自然回復
実数値:362(252)-30-68(252+)-95-156(4)-67
持ち物:光の粉
技構成:ゆびをふる
これだけHPが高いと前2体での削り合いになった際にHP割合が大きく影響を受けるため裏に置く分には偉いが、45戦単位で考えた場合に、前2体のどちらかが事故ってしまうとハピナス込みで巻き返す必要があり、ハピナスのキャラパワーがどうしても劣ってしまうため安定性に欠けると判断して終盤は選出しなくなった。
極力盤面に着地させないが、非常事態で投げなければならなくなった際に1番働く光の粉を採用した。
トゲキッス
性 格:冷静
特 性:てんのめぐみ
実数値:192(252)-70-128(100)-176(156+)-135-90
持ち物:拘りメガネ
技構成:ゆびをふる
初手で殴り合う見せポケモン枠として誰を採用するかだが、初手で指を振るに当たり後続の立ち回りにも影響を及ぼす状態異常を引きやすい天野の恵みを評価してトゲキッスを採用した。
終わってみて、相手にいて選出段階で考えが歪むのはサマヨールだったため、サマヨールだったかもしれない。地味に本ロムで何回か出してしまった。
立ち回り
展開が目まぐるしく変わるので主に意識していたことだけ
・対ミラーにおいて、最初4分はゲンガーヨノワールでクルクルするのを狙う。相手が付き合ってくれるならば残り15分の段階でゲンガー引きに合わせて先に指を振る。相手が先に指を振ってきたのであればそれに対応する。
・初手でゲンガーと高火力ポケモンが対面してしまった場合は、前述の通りゲンガーで居座りHPアドを少しでも稼いでからヨノワールに引く。
・普通に試合をしていると残り8分前後から毎ターン45秒使うと丁度良く使い切れるため、8分辺りからこれ以上指を振るべきか判断する。相手との総HPの差が1/6以上(ポケモン1体分のHP割合が5割勝っている目安)あると有利だと判断して自主退場技を引くことをケアして交代するが、例えHP差があってもそれ以下(ポケモン1体分のHP割合で3~4割勝ってる)だと簡単に数ターンで捲られるため時間を使いながら指を振る。HP不利ならば当然即決で指を振る。
最終戦である1位チャレンジでHP1/10くらいで有利を取れている状況で指を振り跳び膝蹴りを引いてしまったが、45戦単位で見ると間違いではなかったと信じたい。
結果
TNじめつするな 34勝11敗 最高レート1816最終レート1794
最終10位
(バルバドスロムは凶でした)
このルールでも自分が1位取ったらおもしろくねwくらいの軽い気持ちで大会に臨みました。運良く45戦目にして1位チャレまでいきましたが、チャレ負けて終わったことは今までなかったのでこんなルールでも普通に悔しかったですね。総合的には中吉といったところですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
何かあれば @zenchino115まで