未来へのバトンタッチ

今アシストパワーの威力400くらい。

【S7最終1位】パオジアイ、そして騎士の子【ポケモンSV】

どうも、シグマです。

シーズン7、そしてレギュレーションCお疲れ様でした!

ルールは大きく変わりますが、珍しい組み方をしているので簡潔にですが残しておきます。

 

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構築経緯

構築は環境を踏まえてポケモンや系統から考えることが基本的には多いが、今期は「テラスタル環境において重要な要素」をコンセプトにして、要素から組むと予め設定して挑戦することにした。この考え方を一度試しておくことは、今後二年間テラスタルと付き合う上で絶対に生きると感じたからである。テラスタル環境において、レギュレーション問わず以下の三点が重要であり、構築段階で意識するべきだと考えている。

①テラスタル強要性能
…テラスタルを相手に先に切らせるのは対面・サイクル問わず、相手の選択肢を奪い考慮する量を減らせるため、立ち回りの安定に繋がる。テラスタルを切ってでも数的優位を維持して対面で勝とうとしてくる人は多く、簡単に数的優位は取られたくないため、強要させつつ自身も生存する行動保証も求められる。言葉の受け取り方は人それぞれだが、強要は受けのテラスタルを、誘発は崩しのテラスタルを指すと思っていて、展開的な組み方では強要に特化するべきである。

 

②固定ダメージ
…受けのテラスタルは実質的に行動と交換を1ターンで行っており、半減で受けられるとよりアドバンテージを稼がれてしまう。特に最近ではブーストエナジー鋼テツノツツミや水ハバタクカミが増加している等、そういった高速ポケモンでさえもタイプ一致よりも受けのテラスタルの評価が上位帯で高まっている印象がある。その点固定ダメージはタイプ相性に関与しないため、受けのテラスタルを強く使わせないことに繋がる。

 

③素早さ
…テラスタル環境において有利対面だと思っていたのに役割破壊テラバーストにより1ターンで半壊してしまうことは自然と起きてしまう。それに加えてレギュCでは怯みや一撃必殺持ちが環境に存在するため、素早さはより重要になっている。相手視点で対面素早さが負けているという認識があるだけで役割破壊テラバーストにやられることは減るため、遅すぎるポケモンだけで固めるのは避けたい。

これらは①×②、①×③と合わせることでより機能すると考えられる。この組み合わせが実現できそうなポケモンを探すことにした。

初めに③について、欲を出して環境最速級のパオジアンの上から行動できる策を考えた。スカーフ蜻蛉返りからのサイクルかブーストエナジー持ちでの展開が思いついたが、絶対零度持ちが無視できないほどいて無駄な交換は避けたかったため、後者から考えることにした。その際、①で書いている行動保証の持たせ方を考えた時に「壁と合わせたら強いのではないか」と思い検索したところ、テツノブジンが該当した。テツノブジンは四災相手にタイプが強く、テラスタル強要の性能も備えているので①を充分満たすと踏んで考えることにした。
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また、①〜③を見て気づいた方もいると思うが、この三項目はパオジアンの強さのそれを示している。型は後々変えることにして採用を決め、この二体を軸に考えることにした。
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テツノブジンは毒や炎タイプ、サーフゴーに弱く、毒・炎・フェアリーテラスを切らせた後に切り返すことができる地面タイプを採用する必要があった。色々試した後、対面性能が高いチョッキ持ちとして鋼テラスのガブリアスを採用した。
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テツノブジンが他に誘うポケモンとして、特に中盤増えていたウルガモスは無視したくなかった。また、テツノブジンに壁を採用していることもあり積みの要素を加えたかった。ここまでフェアリーが一貫していることも踏まえて、切らせたフェアリーテラスを起点にそのまま勝つことができ、パオジアンに強めのソウブレイズに着目して試したところ使用感が非常に良かったため採用した。
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ここまで物理ばかりでありヘイラッシャが非常に重いため、残りは特殊で固めることを前提として考えた。テツノブジンが誘う上記のテラスにガブリアスが強く、ガブリアスが誘う飛行テラスに強い電気や氷を入れたい〜とか、ソウブレイズをより通すためにカイリューに先にテラスを切らせたいから氷や見た目強いポケモンは欲しい〜とか考えていた。暫く珠テツノツツミと食べ残しハバタクカミを採用していたが、ブーストではないツツミは後発のSブーストハバタクカミへの勝率がどうしても確保できない点が気になった。また、毒菱を拒否できないため浮いているポケモンも求められた。そこで悪巧み型のロトムを勧められたため試してみたところ、チオンジェン絡みはソウブレイズで、キョジオーン絡みは水ロトムで崩すといった風に崩しの役割対象がずれており、テツノブジンとも相性が良かったため採用した。
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最後にテツノブジンが出しづらいサーフゴー・テツノドクガを両採用した構築に選出できる①、③を意識した襷枠として、ハバタクカミを食べ残し型から襷型に変更して構築が完成した。
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並び替え かっけぇ…

本構築では②を重点的に取り入れることはしなかったが、代わりにサブロムではチオンドヒドを試していた。ただやはり遅すぎるが故に不安定要素がどうしても多く、単純にチオンジェンの練度が足りなかったので没になった。

単体解説

テツノブジン

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テラスタイプ:鋼
性 格:陽気
特 性:クォークチャージ
実数値:161(92)-176(204)-111(4)-*-81(4)-178(204+)
持ち物:ブーストエナジー
技構成:ソウルクラッシュ / インファイト / リフレクター / 道連れ
〈調整〉
A…インファイトでB4振りディンルーに164~194ダメージ(目安)
HB…意地パオジアンの氷柱落とし2回+氷の礫をリフレクター込みで99.98%耐え
  意地カイリューの飛行テラバースト+神速をリフレクター込みで91.41%耐え、鋭い嘴飛行テラバーストを確定耐え
HD…臆病テツノツツミのハイドロポンプを確定耐え
S…ブーストエナジーで素早さを上げるためS>A

本構築の始発点であり軸。上からのリフレクターやソウルクラッシュにより耐えながら対面突破を図り、後続の起点作成も行う。加えて先発のポケモンに最も欲しいテラスタル強要性能にも長けている。
道連れの枠は光の壁も考えたが、一致等倍相手ならソウルクラッシュでも耐えることができ、ゴールドラッシュやヘドロウェーブ等は壁を張っても倒されることが充分あるため、優先度は低いと感じた。道連れはリフレクターを見せた後だと警戒され難く、無理やり持っていきアドバンテージを取ることができる固定ダメージ技(特大解釈)として機能した。
テラスタイプに関して、触りはじめの先月中盤はゴーストテラスで使用していたが、初手のブーストではないハバタクカミや受けにきたハッサム相手に数的不利を取りたくない際、HP消費を抑えつつ対面突破を狙える鋼テラスの方が明確に打ち所があったためそちらで使用した。
今回掲げたコンセプトを体現してくれたポケモンであり、非常に頼もしかった。

ソウブレイズ

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テラスタイプ:フェアリー
性 格:陽気
特 性:貰い火
実数値:181(244)-146(4)-113(100)-*-121(4)-137(156+)
持ち物:オボンのみ
技構成:無念の剣 / 影打ち / ビルドアップ / 挑発
〈調整〉
A…無念の剣+影打ちでB4振りパオジアンを確定
H…カタストロフィでオボンのみを発動したくないため奇数
HB…余り、できるだけ高く。
HD…控えめハバタクカミのシャドーボールを15/16耐え
S…準速サーフゴー抜き

今期の勝ち馬。無念の剣が等倍の相手なら、テツノブジンによるデバフ無しでも基本的に起点にできてそこから3タテを容易に狙える。本構築では先にテラスタルを切らせるように組んでいるため、ソウブレイズを受けるためにテラスが残っていることは少なく、このポケモンを通す鍵になっていた。
テラスタイプに関して、対イーユイを考えて悪半減は絶対であり、悪・格闘は採用数が高いハバタクカミを考えると不安なため、テラスを切った後にテツノドクガが面倒になるがそれ以外は申し分ないフェアリーで使用した。
挑発は受け崩しだけでなく、無念を半減で受けて舞ってくるカイリューの起点回避技として外せなかった。
積みとオボンのみは非常に相性が良い。一回積んで目の前のポケモンを倒した後に出てくるポケモンに対してHPが温存できていない場合、そこからテラスを切って強引に倒す動きをした際に相手が等倍で殴るケアをするか否かの願望になってしまいがちである。そこで相手の死に出し前にHPを25%分確保できるだけで願望を回避することができる(し、仮にテラスをせずに切る選択をこちらが取っても相手がケアしてくれることが増えるため、テラス絡みの択を優位に働かせるオボンのみは評価している)。加えて積んだ後無念の剣で倒しながら更に回復できるためこのポケモンは壊れていた。実質的にオボンのみと似た働きをする吸収技は魅力的なので、今後より注目していきたい。

パオジアン

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テラスタイプ:電気
性 格:意地っ張り
特 性:災いの剣
実数値:175(156)-176(156+)-101(4)-*-86(4)-179(188)
持ち物:ラムのみ
技構成:氷柱落とし / 不意打ち / テラバースト / 剣の舞
〈調整〉
A…電気テラバーストでB4パオジアンを確定二発
HB…無振りディンルーの地震を確定二耐え
HD… 臆病イーユイの火炎放射をテラス時に15/16耐え
S…最速110族抜き

ソウブレイズが強すぎるため、今回はソウブレイズを通すのが困難な相手を倒す崩し枠として使用した。
パオジアンミラーがなるべく起こらないように選出するため素早さは最低限まで抑え、行動保証を持たせるべく耐久に割いた。特に対オボンのみディンルーの地震を二回耐えるか否かで試合が大きく左右されるため、例え気合いの襷であっても耐久に割く必要はあるように感じた。
ラムのみは電気テラバーストと合わせてヘイラッシャやドヒドイデ絡みに強くなるだけでなく、一定数いるディンラッシャ+モロバレルカバルドン入り、毒菱展開に強くなる等不足している状態異常絡みへの解答として正解だった。
「パオジアンは入れ得だから」と言った曖昧な理由で採用している人は本当に多そうだが、それがどういった背景でそこに至っているのかを把握しているかどうかで理解度が全然違うと思う。

ガブリアス

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テラスタイプ:鋼
性 格:意地っ張り
特 性:鮫肌
実数値:183-200(252*)-115)-*-106(4)-154(252)
持ち物:突撃チョッキ
技構成:地震 / 逆鱗 / アイアンヘッド / ドラゴンテール
〈調整〉
HD…控えめイーユイの悪の波動を97.3%で二耐え
S…準速イーユイ意識で準速

パオブジンと攻めの補完が優れる地面枠の中でもサーフゴー以上の素早さと流す手段を持つ点を評価した。
性格に関して、最速が生きる相手が最速ミミッキュとイーユイくらいであり、テツノブジンがミミッキュの性格を判定しやすい点とそれぞれ数が少ないことを踏まえて意地っ張りで採用した。
ガブリアスはテツノブジンが誘ったテラスやポケモンを見るために二番手に出すことが多く、後続の積みポケモンで先に展開したいため、ブジンの前で積んだカイリューやサーフゴーを流すことができるドラゴンテールは重宝した。

ロトム

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テラスタイプ:鋼
性 格:臆病
特 性:浮遊
実数値:157(252)-*-128(4)-125-127-151(252+)
持ち物:食べ残し
技構成:10万ボルト / テラバースト / 悪巧み / 身代わり
〈調整〉
C…+2鋼テラバーストでH116D4ハバタクカミを確定
S…最速サーフゴー、準速ミミッキュ意識で最速

SVシングルs7最終10位「Krieger for all」 : おにのごとくただしい
↑最終版にも関わらず教えてくれた方の記事
便利な補完枠。キョジオーン絡みの受けサイクルやヘイラッシャ入りを相手してもらう。
ここまで素早さに振ることで、受けポケモンとよく組まれているイーユイやサーフゴー辺りの中速までそのまま倒すことができる点が強力だった。
ヘイラッシャやカイリューへの一致打点として10万ボルトは必須、対策サイクルを見るために悪巧み+身代わりまで確定。残りのウェポンは死に出しハバタクカミに勝ちやすかったりテツノブジンが誘うフェアリーテラスを殴れたりと補完に優れているため、勧められた通り鋼テラバーストを採用した。ハイドロポンプを打つ必要がない水ロトムは選出した際でも命中不安が足を引っ張ることがなく快適だった。

ハバタクカミ

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テラスタイプ:ノーマル
性 格:臆病
特 性:古代活性
実数値:131(4)-*-75-187(252)-155-205(252+)
持ち物:気合いの襷
技構成:ムーンフォース / シャドーボール / 電磁波 / 挑発
〈調整〉
S…ミラー意識で最速

特殊高速だけでなく後続のサポートもできる襷枠として採用した。先制技を覚えないというだけでハバタクカミの襷はそこまで評価していなかったが、使ってみるとディンルーやサーフゴーを筆頭にテラス強要性能の高さや、神速やマッハパンチ無効といったようにタイプと素早さで充分補えているように感じた。
最も意識されるポケモンではあるため対面で一体持っていくことは少ないが、コンセプトに加えて、電磁波と挑発によるテツノブジンとは異なる起点作成性能を兼ね備えているため、本構築にはこれ以上なく合っていた。

結果

シーズン7 最終1位 最終レート2167
TN ゼラティク
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TN さあこたえて 
最終日30~200位うろうろした後、連敗からの初手充電切れで折れて300位辺りで撤退

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初の二度目の最終1位嬉しいです!!それもありますが、自分なりの組み方が結果に結びついたことが嬉しいです。これからも探究心を忘れずに取り組んでいきます。

公式大会も含めて最後1位から潜ったことが今までなかったので、また一つ達成できたと思うし、この感覚は忘れられないのでこれからは1位からでも潜る気がします。よろしくお願いします(圧)

そして、いつものように解説あり(?)の最終日動画も上げておきます!ルールは変わりましたが、視聴していただけると嬉しいです。

www.youtube.com

ここまで読んでいただきありがとうございました〜!

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Twitter@zenchino115